結論:サイバーパンクは、1988年にアメリカのR.タルソリアン・ゲームズが出したTRPGから始まったシリーズです。2020年にゲーム化された『サイバーパンク2077』は発売直後に大炎上しましたが、アップデートとアニメ『エッジランナーズ』で評価をひっくり返しました。
- 誕生期(1988〜):TRPG『サイバーパンク(2013)』→『サイバーパンク2020』(1990年)。ジョニー・シルヴァーハンドは第1作から登場
- 暗黒期(2012〜2022):2077は3度の延期の末に2020年12月発売。バグと返金騒動で販売停止まで追い込まれる
- 栄光期(2022〜):エッジランナーズで再ブレイク、仮初めの自由とVer2.0で完全復活。The Game Awards 2023で「Best Ongoing Game」を受賞
ゲームの発売日・受賞・販売本数は各社の公式発表と報道で確認(2026年9月22日)
3000万本 – これは2024年11月にCD PROJEKTが発表した、サイバーパンク2077の累計販売本数です。その後も数字は伸び続けています。
そして2023年に開催されたThe Game Awards 2023にて、Apex Legends、ファイナルファンタジーXIV、フォートナイト、原神の4タイトルを押しのけ、Best Ongoing Game賞の栄冠を手にします。
しかし…
そんな超人気タイトルが発売当時は超低空飛行でスタートしたこと、そしてそこから執念の大逆転ドラマがあったことはご存知でしょうか?
誕生期【1988〜2012】

1974年、世界初のRPG、現在のテーブルトークRPGの始祖となる「ダンジョンズ&ドラゴンズ」が制作・販売されます。この作品がきっかけで、審判役であるゲームマスターが提示した物語(シナリオ)をプレイヤーキャラクターを通して体験する、ロールプレイングゲームという今までになかった新しい概念が注目されました。
1983年、任天堂からファミコンが発売。8ビットCPUという性能では、サイバーパンクの様なSFの世界を表現しきるのは非常に困難で、ゲーム化は不可能でした。
1988年にはメガドライブが発売。そして同じ1988年、ウォルター・ジョン・ウィリアムズ氏の小説「ハードワイヤード」や映画「ブレードランナー」に大きくインスパイアされた、サイバーパンクの記念すべき第1作目が産声を上げることになります。
サイバーパンク2013
1988年、TRPGとサイバーパンクのブームに乗り、アメリカのR.タルソリアン・ゲームズからサイバーパンクの第1作目となるボックスセットが出版されます。のちに「サイバーパンク2013」と呼ばれるようになる作品です。
中身は、戦闘の基本を記載した「フライデー・ナイト・ファイアファイト」、キャラクターとスキルの「ビュー・フロム・ザ・エッジ」、世界観の「ウェルカム・トゥ・ナイトシティ」の3冊。
伝説のロッカーボーイジョニー・シルヴァーハンドも、この第1作の短編・導入シナリオ「ネヴァー・フェード・アウェイ」ですでに登場しています。
この時点で現在のサイバーパンクの半分はほぼ完成されていたと言っても過言ではありません。しかし、この2013はわずか2年で次の版に置き換わることになります。
サイバーパンク2020
1990年、現在のサイバーパンクの原型となるサイバーパンク2020が出版されます。サイバーパンク2013の第2版という位置付けながら、新たな時代へのステップアップとして舞台を2020年代へと移した内容に刷新されました。
ジョニー・シルヴァーハンドとオルト・カニンガムの物語を引き継ぎ、新しい世界のテクノロジーとキャラクターを加えて、現在のサイバーパンクの世界観を確立したのがこの2020です。
サイバーパンク2020は当時では珍しいバージョンアップという手法を取っており、1992年にVer2.00、1993年にVer2.01が出版されます。
その後2005年、R.タルソリアン・ゲームズは第4次企業戦争後の世界を描く第3版「サイバーパンクV3.0」を発行。その内容は今までの設定やスタイルを大幅に変更したものでしたが、多くのファンは失望し、この第3版はシリーズの正史から外れた扱いになります。
そして2012年、ポーランドに拠点を置くCD PROJEKT REDからサイバーパンク2020を題材としたゲームタイトルが発表されますが、そのタイトルが発売されたのはなんと2020年12月10日。8年もの歳月をかけた渾身のタイトルは華々しいデビューを飾るかと思いきや、あまりにも厳しいデビュー戦を強いられることになるのでした。
暗黒期【2012〜2022】

2012年10月:サイバーパンク2077のタイトルが正式に発表される
2013年1月:ティザートレーラーが公開。ファンからは年内発売も期待されたが…
2018年6月:Xbox E3 2018 Briefingでトレーラーが公開。もはや期待を通り越して忘れ去るには十分な長い年月が経過
2019年6月:キアヌ・リーヴス氏がジョニー・シルヴァーハンド役で初登場。2020年4月16日発売を発表
ここから相次ぐ延期が始まります。
- 1回目:2020年1月に発表。4月16日 → 9月17日
- 2回目:2020年6月に発表。9月17日 → 11月19日
- 3回目:マスターアップ後の2020年10月にまさかの発表。11月19日 → 12月10日
サイバーパンクRED
サイバーパンク2077が3度の延期を発表する中、サイバーパンク2020とサイバーパンク2077の間の物語を描くために、2020年11月14日(デジタル版)にTRPGの最新作サイバーパンクREDが発売されます。2019年にはお試し版のジャンプスタートキットも先行して出ていました。
第4次企業戦争後の「赤の時代」を重点的に理解できる内容で、サイバーパンク2077を楽しむエッセンスとしてではなく、TRPGの枠を超える作品へと進化するのでした。
サイバーパンク2077 – 試練の始まり
2020年12月10日に約8年の制作期間をかけたサイバーパンク2077が、PS4、Xbox One、PC版などで満を持して発売されます。予約販売のみで800万本を売り上げる好調な滑り出しを見せましたが…
- 全てのプラットフォームでとんでもない数のバグが発生
- PS4やXbox Oneでのグラフィック品質とパフォーマンスの問題
- 2020年12月14日に公式謝罪と返金対応の発表
- PlayStation Storeでダウンロード版が販売中止
ヨーロッパやアメリカでは集団訴訟の対象になる程の事態にまで発展しました。
2021年1月:「クオリティに関する取り組み」を公開。PC版を基準にした開発方針の問題を認める
2021年2月9日:ランサムウェアによる大規模サイバー攻撃を受ける。ソースコードや社内文書が盗まれる
2021年4月:2020年末までの販売本数が約1370万本と発表。底力を見せつける
2021年6月21日:PlayStation Storeでダウンロード版の販売が再開
全プラットフォームでゲームが快適に遊べるようにをモットーにアップデートを続けた甲斐もあり、Steamの新規プレイヤーからも高評価を寄せられるまでに復活を遂げます。
そして2022年2月15日、PS5/Xbox Series X|S版の正式対応とパッチ1.5の配信により、60FPSのパフォーマンスモードとレイトレーシングモードが追加。発売前にゲーマーたちが夢見ていたサイバーパンク2077の姿、美しく魅力的なナイトシティへと進化を遂げました。
栄光期【2022〜現在】
アニメが変えた全て – エッジランナーズの奇跡

サイバーパンクが一躍ビッグタイトルにのし上がることになるのは2022年。発売から2年経ったサイバーパンクは、本作のアナザーストーリーをアニメ化するという一見悪手とも言える方法で脚光を浴びることになります。
その名は「サイバーパンク エッジランナーズ」。テクノロジーと人体改造が一般化した未来都市ナイトシティで、ストリートキッドとして生きる少年を10話構成のストーリーで描くオリジナルアニメーションです。
- 海外の批評家・視聴者から高い評価を獲得
- The Game Awards 2022で「Best Adaptation」にノミネート
- クランチロール・アニメアワード2023で「アニメ・オブ・ザ・イヤー」を受賞
そしてこのアニメの公開に合わせてサイバーパンク2077でもVer1.6となるエッジランナーズアップデートを実施し、新規、復帰問わず100万人以上のプレイヤーが毎日プレイする程の再ブレイクを果たします。
仮初めの自由 – 最初で最後の大型拡張

2023年もサイバーパンクの勢いは止まらず、9月26日に最初で最後となる大型拡張パック「仮初めの自由」をリリース。スパイスリラーがテーマの拡張パックで、発売から1週間で300万本を売り上げます。
さらに仮初めの自由のリリースに合わせ、ゲームの根本から変化させるほどの大型アップデートVer2.0が実施されます。これにはエッジランナーズに登場したキャラクターをイメージしたスキルやゲームシステムの刷新なども行われており、別作品に生まれ変わったと言っても過言ではないほどの衝撃を与えました。
The Game Awards 2023では、仮初めの自由がベストナラティブにもノミネート。惜しくも受賞は逃したものの、新作のフルパッケージタイトルが並ぶ中、発売後2年以上経つタイトルの拡張パックが肩を並べるという異例の事態を巻き起こしました。
未来への展望 – コードネーム:オリオン
仮初めの自由のリリース後、2023年12月5日にはサイバーパンク2077の完全版となる「サイバーパンク2077 アルティメットエディション」をリリース。その後もアップデートは続きました。
- 次回作:コードネーム「オリオン」の開発を発表
- 実写化計画:サイバーパンク2077の実写化プロジェクトが発表済み
- メディアミックス:アニメ、実写と様々な展開
テーブルトークRPGからゲームに進化し、アニメ、実写と様々なメディアミックスがなされ、そのどれもが高い期待と評価を得ているのは他でも類を見ないタイトルと言えるでしょう。
その高い評価の理由は、本当にあるかのように錯覚するほどの徹底した世界観の作り込みや、楽しんでもらいたいという精神でしっかりとユーザーに向き合い続けてきてくれた姿勢がそうさせているのではないでしょうか。
返金騒動から一転、ナイトシティでの成り上がりのごとく大逆転の復活劇を遂げたサイバーパンクは、次回作でどんな形で私たちを魅了してくれるのか。発売まで楽しみですが、凡人として平穏な生涯を過ごすか、名をあげて華々しく散るか、どう過ごすかはあなた次第。
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当記事は非公式のファン作品であり、CD PROJEKT REDによって承認されたものではありません。CD PROJEKT REDファンコンテンツガイドライン
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